サイディング外壁のデメリットとメリット|窯業系や金属・種類ごとの特徴とは

サイディング外壁のデメリットとメリット|窯業系や金属・種類ごとの特徴とは

サイディング外壁は、住宅の外観を美しく保つために多くの家庭で選ばれています。

しかし、外壁材の選択を誤ると後悔することも少なくありません。

人気のサイディングにもそれぞれメリットとデメリットがあるからです。

バリエーション豊富なサイディング外壁は、耐久性が高い一方で、コーキングの劣化が早い段階で訪れるためメンテナンスフリーでも定期的な点検とお手入れが必要です。

今回は、各種類ごとの特徴や利点だけでなく、欠点や注意点もわかりやすく比較しながら解説します。

齋藤

最適な外壁材を選び、後悔しないためのポイントを押さえましょう。

目次

最も使われている外壁材!サイディングの特徴とは

サイディング外壁の特徴とは

サイディング外壁にはいくつかの種類があり、それぞれに独自の特徴があります。

以下では、「窯業系」「金属系」「木質系」「樹脂系」の4つの種類ごとにその特徴を解説します。

スクロールできます
サイディング比較一覧窯業系金属系木質系樹脂系
主成分セメント
繊維質
アルミニウム
ガルバリウム鋼板
ステンレス
天然木材
木材繊維
塩化ビニル樹脂
プラスチック
デザイン豊富なパターン
カラーバリエーション
豊富な
カラーバリエーション
ナチュラル
温かみのある風合い
軽量
カラーバリエーションあり
耐久性高い耐久性・耐火性腐食・シロアリの心配なし防腐処理・防虫処理が必要高い耐候性・耐腐食性
メンテナンス時期7~10年10~15年10年程度10~20年
断熱性断熱材を併用断熱材を併用自然の断熱効果あり断熱材を併用

窯業系サイディング

窯業系サイディング(読み方:ようぎょうけい)は、いちばん採用されている主流の外壁材のひとつ。

セメントと繊維質材料を混ぜ合わせたものを主成分としているため、サイディングの中では早めの7~10年を目安にメンテナンスをおすすめします。

人気の高い理由は、豊富なデザインとカラーバリエーションで、レンガや石材、タイルなどの質感をリアルに再現できます。

コスパ良くデザインにこだわりたい方にはおすすめの外壁材です。

金属系サイディング

金属系サイディングは、アルミニウムやガルバリウム鋼板、ステンレスなどの金属を使用していて、モダンでシャープな印象を与えるデザインが多く窯業系サイディングに次ぐ人気です。

耐久性が高く、腐食やシロアリの心配がありませんが、金属特有の錆が生じる可能性もあるため注意してメンテナンスをしましょう。

スタイリッシュな外観が好みな方や、汚れが付きにくい外壁材を探している方にはおすすめです。

木質系サイディング

木質系サイディングは、天然の木材や木材繊維を主成分とし、合成樹脂で固めたものもあります。

天然木ならではの温かみのある風合いが魅力なため、ナチュラルなデザインが特徴です。

耐久性では、防腐処理や防虫処理が必要ですが、木材特有の自然な経年変化が楽しめます。

木材の種類や環境によってメンテナンスの頻度が左右される点では注意が必要です。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂などのプラスチックを使用していて、軽量なのが特徴。

素材の特性から、耐候性や耐腐食性に優れているため、腐食やシロアリの被害がありません。

また、丈夫で色あせにくく、サイディングの中ではもっともメンテナンスの手間がかからないメリットも。

定期的に軽い洗浄をすることで手軽に美観を保てます。

サイディングのデメリット

サイディングのデメリット

サイディングは人気な外壁材なだけあってメリットが多い反面、それなりのデメリットも挙げられます。

以下は、サイディングのデメリットとメリットを比較した一覧表です。

デメリットメリット
コーキングが劣化しやすい
防水性の低下が早い
デザイン性が高い
施工期間が短い
豊富な種類
コスパがいい

デメリットをあらかじめ把握しておくことで悔いのない選択ができるため、ご自宅の状況と照らし合わせて判断することをオススメします。

総合的にはメリットの多いサイディング外壁ですが、気をつけたいのがコーキング材の劣化です。

サイディングボード自体は耐用年数が高いとされていても、定期的なメンテナンスが必要になります。

それは、コーキング材の劣化は5〜10年と言われているから。その症状によって、外壁内部に水分が侵入し、防水性が低下します。

ただし、これらの注意点は前述のとおり定期的なメンテナンスで回避できるため、放置し続けなければいいと考えればそれほど大きな欠点とは言えないでしょう。

外壁材はどれもメンテンスが必要だからです。

コーキングが劣化しやすい可能性

サイディングボードをつなぐためのコーキング(シーリング)材や釘などの耐用年数は約5〜10年程度です。

外壁材自体の耐用年数が30年以上であっても、コーキングや塗装などの劣化があれば状況は変わります。

これは周辺環境などによって変動しますので、日常的に劣化がないか確認することをオススメします。

防水性能の低下が早い可能性

防水性の低下は、コーキング材の劣化が原因で起こる現象です。

サイディングボードのつなぎ目が劣化すると、目地から雨で水分が侵入するためです。

見えない内部に染み込んだ水分は、カビや苔などによる腐食進行の恐れがあります。

サイディングのメリット

サイディングのメリット

サイディングのメリットは以下のとおりです。

メリット

  • デザイン性が高い
  • 施工期間が短い
  • 豊富な種類
  • コスパがいい
齋藤

サイディングが最も選ばれる理由を見ていきます。

デザイン性が高い

板状のサイディングボードでは、

  • 木目調
  • タイル調
  • 石目調
  • レンガ調
  • コンクリート調

などといった、さまざまな素材をバリエーション豊かに表現することができる特徴があります。

施工期間が短い

サイディングボードは工場で製造されます。

仕上げとして外壁材の上に貼り付けて施工するので、職人が手作業で壁に塗装する必要がないため、大幅に施工期間を短縮できます。

豊富な種類

サイディングボードには、

  • 耐熱性
  • 耐久性
  • 耐震性
  • 断熱性
  • 遮音性

などといった様々な特性をもった製品が揃っています。

住宅の周辺地域や特徴を考慮して、より最適なサイディング外壁の種類を選ぶことができるのも魅力。

コスパがいい

施工期間や工事費が抑えられるのが特徴な点から、

タイル調や石目調などの高級感あるデザイン性でも、サイディングでコストを抑えながら実現できる選択肢は魅力的です。

サイディングボードの特徴を理解した上で外壁に必要な機能性とデザインを選びましょう。

サイディングの種類ごとの耐用年数

サイディングの種類ごとの耐用年数

サイディングの種類ごとの耐用年数は以下の内容です。

外壁に目立った劣化がないようであれば、耐用年数を目安にメンテナンスを行うようにします。

 種類 時期 詳細
窯業系サイディング7~10年・主原料はセメントと繊維質
・サイディングの中でも主流のタイプ
・デザインが豊富
木質系サイディング10年程度・天然木、合板などの木材
・自然な風合いが魅力
・環境にも優しく断熱性に優れている
金属系サイディング10~15年・加工した金属を断熱材で裏打ちしたもの
・塗装仕上げが不要で軽量
・断熱性、耐震性に優れている
・省エネ効果が期待できる
・サビに注意が必要
樹脂系サイディング10~20年・主原料は塩化ビニル樹脂(プラスチック)
・高耐久なサイディング
・目地にシーリングが必要ない場合がある
・素材が軽くて耐震性が高い
・雨水や塩害に強い
・紫外線に弱い
・デザインのバリエーションが少ない
・海外で主流なため工事難易度が高い
・工事費用が高くなりやすい
引用元:サイディングの外壁メンテナンスの費用や時期

塗料ごとの耐用年数

メンテナンスを適切に行うためには、サイディング自体の耐用年数だけでなく、塗料の耐用年数も関係してきます。

それは、塗膜の劣化が先であるケースがほとんどで、これによって外壁を保護できるかできないかが変わってくるからです。

以下は塗料の種類ごとの耐用年数を一覧表にしたものです。

 塗料の種類 耐用年数 特徴
アクリル3~5年・比較的安価だが耐候性が低い
・汚れやすく耐久性が劣る
・短期での塗り替えに適している
ウレタン5~7年・比較的安価だが耐久性が劣る
・伸縮性に優れ、耐摩耗性が高い
・光沢がある塗膜を形成しはがれにくい
シリコン7~12年・耐用年数と価格のバランスがよい
・塗料の種類やカラーバリエーションが豊富
ラジカル制御型12 ~15年・2012年登場の最新塗料
・チョーキング現象が起こりにくく、さらに汚れがつきにくい
フッ素15~20年・耐用年数が長いためメンテナンスの手間がかかる大型建造物に使用されることが多い
・価格が高い最高グレードの塗料
・塗膜が硬いものはひび割れに注意
光触媒15~20年・太陽の光に当たることで汚れを分解し雨水で汚れを落とすことができる
・価格が高いが、セルフクリーニング機能や空気清浄効果がある
無機20〜25年・ガラス塗料を混ぜたことで超耐久性を実現
・セルフクリーニング機能やカビ、コケが発生しにくい
ピュアアクリル10〜15年・高耐久性・高弾性・防水力に優れている
・コストは高いが、生涯コストは逆に削減できる
参考:ETIC

塗装の劣化は日頃からチェックするようにしておきましょう。

メンテナンス費用の目安

メンテナンス費用の目安

メンテナンスにかかる費用は、必要な工事内容によって大きく変動し、以下の価格帯が相場となっています。

種類  費用
高圧洗浄1.5〜3万円
(150~300円程度/㎡)
バイオ洗浄5〜8万円
(500~800円程度/㎡)
塗装60~100万円前後
コーキングの打ち替え打ち増し20~40万円前後
(900~1,300円程度/m )
重ね張り60~200万円前後
張り替え60~300万円前後
引用元:サイディングの外壁メンテナンスの費用や時期

洗浄

外壁洗浄で汚れを洗い流すだけで十分キレイになるケースもあります。

洗浄方法には高圧洗浄とバイオ洗浄(低圧洗浄)があり、

高圧洗浄だけでは落とせないコケやカビなどに対して、特殊薬剤を使用したバイオ洗浄を行います。

このケースでは、築浅や劣化症状が見られない建物の場合に該当します。

通常は次にご紹介する塗装もセットで行うことが多いです。

塗装

塗装は塗膜の劣化が目立つ場合に必要な塗り替え作業です。

塗膜が剥がれた箇所からは雨風や紫外線のダメージが受けやすい状態のため、劣化の進行を早めてしまいます。

劣化がだいぶ進行してからだと、補修工事が必要になるため、余分なコストが発生してしまうので注意が必要です。

補修

外壁の補修工事では、塗装の塗り替えのみでは修繕できない場合に検討するもの。

補修工事

コーキングの打ち替え打ち増し

コーキングとは、サイディングボードのつなぎで使用するもので寿命が5〜10年と言われています。

コーキングが劣化したままだと、外壁だけでなく内部構造まで劣化が進み、さらに高額な費用が必要となるサイディングの重ね貼り・張り替え工事に発展させる恐れがあります。

劣化症状が少しでも確認できたら、専門業者に相談しましょう。

サイディングボードの重ね張り

サイディングボード自体の劣化が激しいときには、重ね張り工事を検討します。

重ね張り工事(カバー工法)とは
既存のサイディングを残したまま新しいサイディングを重ねて貼り付ける工事。

劣化具合が、重ね貼りでも対応しきれない状態だと、既存のサイディングの撤去が必要となる張り替え工事が必要です。

サイディングボードの張り替え

サイディングの表面と内部構造までの劣化が確認できる場合は、張り替え工事を行うことになります。

張り替え工事とは
既存のサイディングを撤去して新しいサイディングに取り替える工事。

撤去作業という工程が加わるためコストもその分かかってしまいます。

このように、劣化サインを見逃し続けることで、かえってランニングコストがかさむということがわかります。

齋藤

劣化サインを見逃さないことがとても重要です。

まとめ

サイディング外壁のメリット・デメリットについてご紹介しました。

サイディングは、コーキング部分が劣化しやすいデメリットがある一方で、デザイン性や施工期間を短縮できる点からコスパも良いというメリットがわかりました。

サイディング外壁は、適切な選択とメンテナンスにより、住宅の美観と耐久性を大幅に向上させることができます。

それぞれの素材の特徴を理解し、住宅のデザインや立地条件、ライフスタイルに合ったサイディング材を選ぶことが重要です。

また、定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、外壁の寿命を延ばし、快適な住環境を維持することができるでしょう。

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