外壁塗装のスタッコ仕上げとは|モルタルのリシン・ボンタイルとの違いを解説

外壁塗装のスタッコ仕上げとは|モルタルのリシン・ボンタイルとの違いを解説

スタッコ外壁とは何か。

スタッコとは、モルタル外壁などを土台にした塗装の仕上げ工法のこと。

スタッコ仕上げ以外には、リシンやボンタイルなどがあり、似ているようでそれぞれに違いや特徴があります。

また、外壁材のスタッコ仕上げにかかる費用は、80〜150万円程度が相場です。

スタッコ外壁は塗り壁ならではの職人技が光る風合いが魅力。

今回はそんな外壁塗装のスタッコ仕上げについて、以下の内容を解説します。

  • スタッコとは
  • リシン・ボンタイルとの違い
  • スタッコ仕上げにするメリット・デメリット
  • 費用相場やメンテナンスの目安
  • 注意点
目次

スタッコとはモルタル外壁の仕上げ塗装

スタッコとはモルタル外壁の仕上げ塗装

スタッコ(stucco)とは
モルタル外壁の仕上げ塗装のひとつで、コテ塗り・吹き付け塗装の2種類の工法があります。
化粧しっくい( 漆喰)とも呼ばれます。

石灰、水、セメント、砂などを混ぜてモルタル外壁に塗る仕上げ塗装。

モルタル外壁の仕上げ塗装には、スタッコ仕上げの他に、リシン仕上げ・ボンタイル仕上げなどがあります。

齋藤

まずはスタッコ仕上げの2つの工法について、それぞれの特徴について見ていきましょう。

コテ塗り

コテ塗りとは、左官職人による鏝(コテ)を使って仕上げる工法。

金鏝、木片、ハケなどの道具を使って、唯一無二の模様をつけるのが特徴。
職人自身の知識と経験、センスが仕上がりに大きく影響します。

職人の腕の見せ所!

吹き付け塗装

吹き付け塗装とは、スプレーガンと呼ばれる噴射機器で一面に塗料を吹き付ける工法。

スタッコ仕上げでは主流な工法です。

吹き放し仕上げ吹き付けたまま固める仕上げ法
ヘッドカット仕上げ吹き付け後にコテ・ローラーで押さえつける仕上げ法(凸部処理)

仕上げ方法によって雰囲気や印象が一変します。

スタッコ・リシン・ボンタイルの違い

モルタルのリシン・ボンタイルとの違い

スタッコ仕上げとリシン・ボンタイル仕上げの違いは、模様と質感です。

一見よく似た印象を受けがちでも、よく見ると模様や風合いに違いがあるのがわかります。

特徴塗替時期
スタッコ大柄の模様で塗膜にボリューム感がある10年程度
リシン細かい柄模様でザラザラとしたテクスチャ7~8年程度 
ボンタイル模様は中ぐらいの大きさで合成樹脂によりツルツルした質感6~10年程度 

これは、スタッコ仕上げの塗膜には5~10mm程度の厚みがあるからです。

一方、リシン仕上げの塗膜は薄いため、防水性や耐久性ではスタッコ仕上げに比べるとやや劣ります。

また、ボンタイルは質感や耐用年数ともにこれら2つの中間といった感じです。

外壁をスタッコ仕上げにするメリット・デメリット

外壁をスタッコ仕上げにするメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
コスパの良さ
優れたデザイン性
高い耐久性
汚れが落ちにくい

メリットはコスパ・デザイン性・耐久性の高さ

スタッコ仕上げのメリットは、コスパ・デザイン性・耐久性の高さです。

凹凸のある厚い塗膜を形成させるのが特徴。

デザイン性に優れ、重厚感ある印象から高級な雰囲気に仕上がります。

また塗膜の厚みにより高い耐久性で10年程度は塗り替え不要といったコストパフォーマンスにも優れている点が魅力です。

デメリットは汚れの落ちにくさと塗り替え費用

スタッコ仕上げのデメリットは、汚れの落ちにくさと塗り替え費用です。

凹凸の間に汚れが溜まりやすい。

掃除の際も平らな外壁と比較して汚れが落ちにくいため、こまめに洗浄する必要があります。

また、塗り替えのメンテナンスでは他の仕上げ方に比べて2倍以上の塗料が必要になることから、塗装費用も余計にかかると言えます。

スタッコ仕上げに必要な費用相場

スタッコ仕上げに必要な費用相場

一般的な30坪ほどの住宅でスタッコ仕上げにかかる費用は、80〜150万円程度が相場とされています。

以下では、さらに具体的な価格の単価相場について詳しく見ていきます。

吹き付けスタッコ仕上げの費用相場

吹き付けスタッコ仕上げの単価相場は、以下のとおりです。

種類単価
吹放し仕上げ3,500~4,250円/㎡
凸部処理仕上げ3,800~4,550円/㎡
小粒仕上げ2,800~3,400円/㎡

住宅の構造や面積、使用する商品、業者などによって価格は変動します。

コテ塗りスタッコ仕上げの費用相場

コテ塗りスタッコ仕上げの単価は7,000円/㎡程度が相場です。

さらに加えて、

  • 足場費用:10〜20万円
  • 養生・下地処理費用:5〜30万円

などがかかることもあります。

>>ジョリパットの塗装・塗替えでは、外壁塗装の塗り替え塗料やメンテナンスについて解説しています。

スタッコ仕上げをメンテナンスする目安

スタッコ仕上げをメンテナンスする目安

スタッコ仕上げをメンテナンスする目安は以下の2つです。

メンテナンスの目安

耐用年数10年を迎えるとき
劣化症状が確認できたとき

耐用年数10年を迎えるとき

外壁に劣化症状がない場合でも、メンテナンスとして専門業者の点検を依頼しましょう。

耐用年数とはあくまで目安ですが、経年による塗膜剥がれなどの劣化は気付きにくいケースもあるからです。

定期的にチェックすることで建物寿命を延ばすことができます。

劣化症状が確認できたとき

劣化症状が確認できた場合には、放置しないようにすることが重要です。

劣化した箇所から雨水などが入ることで、外壁の内部まで腐食が進行し、建物の寿命を縮める恐れがあるためです。

その場合、修繕コストも嵩んでしまいます。

以下はスタッコ仕上げに起きやすい劣化症状です。

劣化症状

  • コケ・カビ・藻の発生
  • 凹凸に入り込んだ汚れ
  • ひび割れ
  • 塗膜の膨れ

コケ・カビ・藻の発生

表面が平らな外壁よりも、凹凸のある外壁は溝に汚れが溜まりやすく、カビやコケなどの根が張りやすいです。

特に、北側の外壁など日当利の悪い箇所ではコケやカビ、藻の温床になります。

凹凸に入り込んだ汚れ

前述のようにスタッコ仕上げは、凹凸の隙間に汚れが溜まりやすいのが特徴的です。

埃や排気ガス・雨だれなどの黒い汚れなど洗浄だけでは落ちにくくなってしまいます。

美観を維持するためには早めのメンテナンスが大切。

塗膜の剥がれ

経年劣化による塗膜の保護機能が失われ、剥がれ落ちる症状も出てくるでしょう。

塗膜が剥がれた箇所から雨水が入り、構造内部の劣化を早めることになるため、塗り替える必要があります。

ひび割れ

スタッコ仕上げの土台となるモルタルは、乾燥収縮によるひび割れ(ヘアークラック)を起こします。

厚い塗膜が特徴的であるスタッコ仕上げであっても、経年により柔軟性が失われてくるため、ひび割れが徐々に大きく目立ってくるようになります。

塗膜の膨れ

中には施工不良・施工ミスによる塗膜の膨れが発生するケースもあります。

弾性スタッコ仕上げの塗り替えで弾性系塗料を使用すると、凹凸部分に溜まった空気が熱の影響で塗膜を膨れさせる可能性があるためです。

さらに、塗り替え時の高圧洗浄後に乾燥が不十分なまま塗装することも膨れが発生する原因になります。

原因はスタッコ仕上げの塗膜が厚いため湿気が抜けにくい点。

スタッコ仕上げ4つの注意点

スタッコ仕上げ◯つの注意点

スタッコ仕上げの外壁の塗り替えでは、主に以下の4つに注意が必要です。

4つの注意点

  • 通気性を重視した塗料選び
  • 塗料の使用量が多い
  • 凹凸面の隙間
  • 洗浄後の十分な乾燥時間

通気性を重視した塗料選び

スタッコ仕上げでは、通気性を重視した塗料選びが重要です。

それは凹凸面に空気層をつくる特性から。

弾性塗料や厚膜タイプの塗料は、塗膜の膨れが発生しやすくなります。

塗料の使用量が多い

凹凸面があることによって、通常使用する量の倍以上の塗料が必要になります。

その分、費用が余計にかかってしまう可能性が高いです。

凹凸面の隙間

凹凸面の隙間や溝には汚れやチョーキングの粉が溜まっていることがあります。

洗浄してもしてもデコボコしていて溜まった汚れなどが落ちにくいためです。

このように不要なものを残したまま塗装してしまうと塗料の密着度が低くなって劣化が早まり、再塗装の際に高圧洗浄での入念な下地調整が必要となってしまいます。

洗浄後の十分な乾燥時間

塗装前に行う高圧洗浄後には、十分な乾燥時間をとる必要があります。

一見、乾いているように見える表面でも内部に湿気を含んでいることがあるためです。

そのまま塗装をしてしまうと、塗膜の膨れが生じてしまいます。

まとめ

今回は、外壁のスタッコ仕上げについて解説しました。

職人さんの手仕事によって織りなす質感が魅力のスタッコ仕上げ。

特徴である凹凸の表面から、メリット・デメリットや注意点を見てきました。

石灰、水、セメント、砂などを混ぜてモルタル外壁に塗る仕上げ塗装は、漆喰のテクスチャーや自然な風合いがお好みの方にオススメです。

これまでご紹介してきたポイントを参考に、ご自身の状況に適した条件を見極めて決断していただくのが最良の選択です。

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