外壁塗装の高圧洗浄のトラブル|よくあるトラブル事例から注意点を解説

外壁塗装をする前に高圧洗浄は欠かせない工程です。
適切に行われない場合、仕上がりに影響したり近隣とのトラブルになったりすることがあります。
外壁塗装の高圧洗浄におけるトラブルを未然に防ぐために、対策を知っておくことが重要です。
経験の浅い業者や雑な作業をする業者に依頼してしまうと、様々な悪影響を引き起こすリスクがあります。
事前に準備や対策を行い、信頼できる業者を選ぶ必要があるでしょう。
この記事では、
- 外壁塗装の高圧洗浄トラブルの事例
- 高圧洗浄トラブルにおける注意点
- トラブルにならない業者の選び方
を解説していきます。
大切な住居に安心して暮らすために、トラブルなく外壁塗装をすすめる参考にして下さい。
外壁塗装の高圧洗浄トラブルに注意!

外壁塗装の際、外壁の高圧洗浄は塗装の密着性を高めるために大切な工程です。
ですが、高圧洗浄の作業に関連したトラブルは多く、建物や近隣に悪影響を及ぼすことも。
この原因として考えられるのは、
- 信頼できる業者に依頼していない
- 事前準備を怠った
ということが考えられます。
信頼できる業者に依頼していない
信頼できる業者に外壁洗浄してもらうことでトラブルを回避することができるでしょう。
プロの業者は汚れの程度に応じて丁寧な作業を行うからです。
外壁塗装前の高圧洗浄は、古い塗膜・カビ・苔・ほこり・排気ガスなどの除去を目的として行います。
これらが付着したまま塗装してしまうと塗料が密着しないので、すぐに剝れたり浮いたりしてしまうからです。
外観の美しさのためだけでなく、外壁塗装は防水・耐候という役割があります。
洗浄が雑に行われると汚れが湿気を含んで内部に残ります。これによって塗膜の下が膨れたりカビが発生する原因に。
外壁塗装の前に、高圧洗浄で汚れをしっかり落としておくことがトラブルを未然に防ぎます。
>>実績のある信頼できる業者に依頼することで、汚れが残るといったトラブルを避けることができるでしょう。
事前準備を怠った
事前に近隣にあいさつをしておいたり、養生をしっかりしておくことでトラブルを回避できます。
水の飛散や騒音などの苦情が発生するのは、事前の連絡がなかった場合が多いからです。
作業日・時間などを伝えておくだけで印象は変わります。
水の飛散防止対策を万全にし、養生をしっかりしておくことが大切。
経験の浅い業者や配慮が足りない業者はこういったことを怠りがちです。
また、事前に外壁の劣化診断をしてない場合、高圧水をかけて内部に水がしみこむリスクがあります。
事前にトラブルを回避する対策をしっかりとれる業者を選定することが重要です。
外壁塗装の高圧洗浄のトラブル事例

高圧洗浄に関連したトラブルの事例を確認し、対策を知っておきましょう。
- 近隣トラブル
- 水漏れ
- 雑な作業で汚れ残り
- 外壁が痛む
- 漏電・ブレーカー落ち
トラブルの事例ごとの対策も確認しておきましょう。
近隣トラブル
高圧洗浄作業時の水しぶきや音が原因で、近隣から苦情が発生することがあります。
近隣トラブルの例
- 洗濯物に水がかかって汚れた
- 高圧洗浄機のモーター音がうるさい
- 洗浄した水が庭に飛散した
対策としては、事前の声掛け・飛散防止シートの設置が必須です。
作業をする日時を連絡し、迷惑をかけることの謝罪が事前にあると、近隣の方の印象が良くなります。
苦情を避けるために業者・施工主両方から事前連絡をしておくとよいでしょう。
水漏れ
高圧洗浄の水がサッシの隙間や外壁の劣化部分から内部に侵入することがあります。
これは、事前に劣化診断をしていなかったり養生が不十分であることが原因です。
水漏れのトラブル例
- 窓や換気口から水が入り室内の床が水浸しになった
- 換気扇のダクトを伝わって天井裏に水がたまった
- コーキングの隙間から水が入り内部にカビが発生した
築年数がたっている建物は特に注意が必要です。
しっかりとした点検を行い、入念な養生が重要です。
雑な作業で汚れ残り
雑な作業による汚れ残りの苦情も少なくありません。
洗浄圧力が弱すぎたり、洗浄時間が不十分でカビやコケ・古い塗膜が残るトラブルは少なくありません。
雑な作業で汚れ残りトラブル例
- 塗装後一年で塗膜が剝れた
- きれいになった面と藻や黒ずみが残った面があった
高圧洗浄の作業時間短時間で終わった、雑な作業をされたというケースも。
汚れが残っていると、外壁塗装をしても塗料の剥がれをひきおこす原因となります。
適切な時間をかけた丁寧な作業を行う業者を選定することが重要です。
外壁が痛む
高圧洗浄をした結果、外壁が痛むといったトラブルも。>>高圧洗浄機は外壁が痛む?チェックして下さい。
外壁の材質に合わない水圧で高圧洗浄をすると、欠けたりひび割れを起こす可能性があります。
外壁が痛むトラブル例
- モルタル外壁の一部が剝れ落ちた
- ALSパネルを強圧で洗浄したため、表面が破れて内部に水が浸入した
すぐにわからなくても、内部に水が入ってカビや腐敗の原因になることも。
業者に水圧調整の知識が不足していると、外壁が損傷する可能性もありますね。
外壁材により適切な圧力が異なります。それぞれの種類ごとの推奨圧力とリスクを確認しておきましょう。
外壁材の種類 | 推奨圧力 | 備考 |
---|---|---|
ALCパネル | 8〜10MPa | 水圧が高すぎると水がしみこむリスク |
モルタル | 10〜12MPa | ひび割れのある部分は圧力を下げないと欠けるリスク |
窯業系サイディング | 8〜10MPa | 経年劣化のある場合は圧力を下げる必要がある 内部に水が浸入するリスク |
外壁材の種類によって適切な圧力調整・ノズルの使い分けを行うなど、適正水圧の知識のある業者を選びましょう。

高圧洗浄はすぐにわからないトラブルを引き起こす可能性があります。
事前対策をしっかりすることが重要です!
屋内の漏電・ブレーカー落ち
外壁洗浄中に漏電する事例も発生しています。
屋内の漏電・ブレーカー落ちのトラブル例
- 外壁洗浄中に室内のブレーカーが落ちた
- 家の電源が一時使えなくなった
外壁コンセントに洗浄の水がかかり、漏電が発生することで起こるトラブル。
対策としては、屋外コンセントを完全に養生しておくことが必要です。
状況によっては作業中はブレーカーを落としておくケースもあります。
トラブルを防ぐためには事前準備をしっかり行い、信頼できる業者を選定することが重要です。
作業前後の写真提供や追加費用を明確にすることも依頼しましょう。
外壁塗装の高圧洗浄トラブルにおける注意点

外壁塗装の際の高圧洗浄を未然に防ぐための事前の準備・対策を確認しておきましょう。
- 事前に近隣にあいさつしておく
- 窓や隙間の水漏れ対策をする
- 信頼できる業者を選ぶ
- 外壁の状態を確認しておく
事前に近隣にあいさつしておく
施工前に事前に2~3日前に近隣の住人にあいさつをしておくことが重要です。
- 作業をする日にち・時間(紙面での日時の告知)
- 当日大きい音がするかもしれないことの謝罪
- 洗濯物に水が飛ぶ可能性の連絡
など、相手の気持ちに配慮して連絡すると良いでしょう。
飛散防止ネットがあったとしても、洗濯物や庭への水の飛び散りの可能性はあります。
それでも事前にあいさつしておくことで、印象はかなり変わってくるはずですよ。
窓や隙間の水漏れ対策をする
窓や隙間から水が浸入しないように対策をしておきましょう。
- サッシや換気口に養生テープを貼る
- 小さい窓をきちんと閉めておく
- 雨漏りや隙間があるところをふさいでおく
- 外壁診断で劣化を確認して事前に補修しておく
など、水漏れの対策は必須です。
外壁が傷んでいることに気づかずに洗浄するとトラブルの原因となります。
事前に劣化診断を行い、状況によって水圧調整をする専門性が必要です。
信頼できる業者を選ぶ
信頼できる業者を選ぶことが特に重要です。
経験が浅かったり雑な作業をする業者はトラブルの元。
費用が安いという理由だけで業者を選ぶのはリスクがあります。
- 高圧洗浄の作業時間・範囲の事前の説明を求める
- 洗浄後のチェックを依頼する
など、時間短縮のために手抜きをされないように対策しましょう。
おすすめは社内で一貫施工をしている業者です。
下請けに丸投げにしないので、安心して任せることができるでしょう。

後程信頼できる業者を選ぶポイントを紹介します。
外壁の状態を確認しておく
外壁の状態を確認しておくことも大切です。
わかっている範囲でひび割れなどの気になる箇所を伝えておくとよいですね。
万一トラブルになった時に、どこまでが業者の責任かを明確にしておくことができるからです。
自分でチェックすることも大事ですが、施工前に劣化診断も依頼すると良いでしょう。
経年劣化の箇所は、状況に応じた洗浄方法で処理を行います。
外壁の高圧洗浄でトラブルにならない業者の選び方
高圧洗浄でトラブルにならないためには>>信頼できる業者選びが一番重要です。
- 実績がある
- 対応が丁寧
- 見積もりが明確
- 複数の業者から見積もりを取る
- 保証やアフターフォローの体制が整っている
高圧洗浄は塗装の仕上がりを左右する重要な工程です。
「数年で塗膜が剝れる」「カビが再発する」などのトラブルにならないために、信頼できる業者の判断基準を解説していきます。
実績がある
実績のある業者を選ぶのがおすすめです。
この理由は、高圧洗浄は現場対応力が問われる作業だからです。
窓の形状や外壁の素材に応じて水圧を調整したり飛散防止の養生など、柔軟な対応が求めらます。
場数を踏んでいる業者なら、状況に応じて最適な方法を選択することができるでしょう。
実績の目安は年間100件以上の施工経験があること。
- 操業年数
- 年間施工件数
- 自社ホームページに施工事例・写真の掲載の有無
- Googleマップ・SNSの口コミ
などをチェックして実績を確認しましょう。
対応が丁寧
対応が丁寧な業者を選ぶと良いでしょう。
なぜなら、対応が丁寧な業者は施工にも気を配る傾向があるからです。
こちらの質問にもわかりやすく丁寧に説明してくれるかどうかも確認したいですね。
質問にきちんと答えられない業者は、施工においても雑で専門性に欠けているケースが多いです。
- 現地調査で外壁材の劣化状態を詳細に確認する
- 高圧洗浄の施工の流れを説明する
- 水道の使用・近隣への配慮について説明する
- 質問への回答が具体的
- 専門用語を使いすぎずわかりやすい説明をする
などをチェックすると良いでしょう。
見積もりが明確
高圧洗浄の内訳がきちんと明記されているかも確認しましょう。
高圧洗浄は見た目では品質がわかりにくい工程なので、丁寧に記載があるかどうかで丁寧な作業が行われるかどうか判断できるからです。
「一式〇円」という内容でなく、
- 洗浄する面積
- 水圧調整
- 使用機材
- 作業時間
などの記載があるかがポイントです。
複数社から相見積もりをとる
複数社から見積もりを取るようにしましょう。
>>作業内容・費用について比較でき、相場観を把握できるからです。
洗浄費用が異常に安い・高い業者は、作業が雑だったり下請けに丸投げをするリスクがあるので要注意です。
洗浄の時間・範囲・方法の違いを比較して、極端な違いがある場合は質問してみましょう!

最低でも2~3社から見積もりを取ると良いですよ。
保証・アフターフローの体制がある
施工後の保証やアフターフォローの体制がある業者がおすすめです。
施工後にすぐにトラブルが発生しないケースもあるからです。
洗浄時の水漏れ・塗膜剥離の保証があるか確認しましょう。
過去に雨漏りが発生した場合にどう対処したのか、公式ホームページやスタッフに事前に確認すると良いでしょう。
外壁塗装の高圧洗浄のトラブルについてQ&A

高圧洗浄のトラブルについて気になることをQ&Aで紹介します。
高圧洗浄の作業は2時間~3時間で終わる?
一般的な戸建て住居(30坪前後)の場合、2~3時間で終わることが多いです。
ですが、屋根の洗浄もする場合は4~6時間かかるケースがほとんどでしょう。
条件によってはそれ以上時間がかかることも少なくありません。
高圧洗浄に時間がかかる例
- 壁に苔・カビ・藻が広範囲に発生している
- でこぼこの多い外壁(タイル・ジョリパットなど)
複数人で同時進行で洗浄をする場合は、時間が短縮される可能性があります。
下請けの業者の場合は、手抜き施工をして1.5時間~2時間程度で済ませてしまうことがありますがこれがトラブルの原因となります。
外壁塗装の高圧洗浄の水道代は誰が負担する?
依頼者(施工主)が水道代を負担するケースが多いです。
水道代は業者の費用に含まれると思っている方もいますが、基本的に施主の負担です。
多くの場合1,000円~2,000円程度になるでしょう。
汚れの状況によって長時間洗浄すると、水道料金が高くなる可能性があります。
契約書・見積もりに水道段の負担について記載があるはずですので確認しておきましょう。
高圧洗浄機で外壁は痛む?
外壁の素材に合った適切な水圧で洗浄すれば問題ありません。
ですが、素材によっては注意が必要なものもあるので、素材に応じた水圧調整が必要です。
ケルヒャーなどで自分で行うと、洗いムラが生じたり>>外壁を傷める可能性があります。
高圧洗浄機で外壁を洗浄するのは、プロによる判断と技術が必要であることは知っておきましょう。
まとめ
外壁塗装の高圧洗浄は仕上げだけでなく、塗装の品質に影響する大切な工程です。
ですが、信頼できない業者に依頼してしまうと近隣トラブルや建物の損傷・水漏れなどのトラブルにつながることがあります。
トラブルを未然に防ぐためには、
- 事前の近隣あいさつや事前準備
- 信頼できる業者選定
が不可欠です。
高圧洗浄の作業に専門的な知識があり、明確な見積もりと説明のある業者を選ぶことが重要です。
大切な住宅を守り安心して暮らすために、外壁塗装の業者選定は慎重に行ってくださいね。