外壁を高圧洗浄機で自分で掃除する方法｜注意点・外壁の汚れを洗う方法

家の外壁の汚れが気になってきて、できれば自分で掃除をしたいと思う方は多いと思います。

外壁の掃除は高圧洗浄機を使って自分ですることも可能です。

ですが、高圧洗浄機で外壁の掃除をする際は、いくつか注意しなければいけないことがあります。

キレイにするつもりが、外壁を傷めてしまうリスクも。

この記事では、以下の内容を解説していきます。

安全かつ効果的に、外壁を高圧洗浄機で掃除する方法を確認しておきましょう。

外壁を高圧洗浄機で自分で掃除する時の注意点

外壁を自分で高圧洗浄機で掃除する場合、いくつか注意すべきことがあります。

やみくもに高圧洗浄すると、事故や破損の原因となることがあるからです。

以下の注意点について解説していきます。

注意点	理由	対処法
外壁の材質を確認する	水圧に弱い素材の外壁もある	サイディング・モルタル・タイルなど材質ごとに洗浄方法を変える 築年数が経っている古い家は慎重に洗浄する
水圧を調整する	高すぎる水圧で塗装が剥がれる	5MPa前後を目安にスタートする ノズルの種類(広角・直噴)にも注意
高所の洗浄は無理をしない	転落事故の危険性	脚立は極力使わない 延長ノズルや専門業者への依頼を検討
サイディングは高圧洗浄を避ける	表面の塗膜や目地が傷む可能性	柔らかいブラシや中性洗剤での手洗いが基本
風が強い日・雨天は避ける	水の飛散や乾きの悪さによる再汚染リスク	晴れて無風の日の午前中が最適

外壁の材質を確認する

高圧洗浄する前に、外壁の材質は必ず確認しましょう。

素材によっては外壁を傷めてしまうことがあるからです。

例えば、ALCパネルや劣化したモルタル壁は、高圧洗浄機を使うと崩れる可能性があります。

塗装が劣化している場合は水圧で塗膜が剝れるリスクも。

事前に外壁の材質を確認して、正しい方法で洗浄しましょう。

水圧を調整する

高圧洗浄機で外壁を洗浄する際は、水圧の調整が重要です。

これは、強すぎると塗膜が剝れるリスクがあり、弱すぎると汚れが落ちないからです。

外壁掃除には5MPa程度で十分に汚れを落とすことができます。

最大出力10MPaを超えるものもありますが、コーキングを劣化させたり外壁を傷つけてしまう可能性も。

水圧に加え、ノズルの種類・距離感も注意が必要です。

ノズルのタイプ	特徴	おすすめの洗浄場所
直噴ノズル	集中的に水を当てるがダメージ大	頑固なコンクリート汚れなど 外壁にはおすすめしない
広角(扇形)ノズル	水の拡散でダメージを軽減	外壁・車・網戸など、繊細な場所の洗浄におすすめ
回転ノズル	高圧で広範囲に当てられる	素材が丈夫な場合に限定的に使用

ノズルの先端は広角にして30㎝程度離し、慎重に作業しましょう。

高所の洗浄は無理をしない

2階以上の外壁の掃除は、脚立やはしごを使っての作業になるので危険。

水の跳ね返りなどでバランスを崩して転落のリスクがあります。

高所の掃除は、延長ノズルや長尺ブラシで対応するか、プロの業者に依頼することを検討しましょう。

サイディングは高圧洗浄しない

サイディングを高圧洗浄するのはおすすめできません。

なぜなら、高圧の水が塗膜を剥がしたりコーキングを劣化させたりする恐れがあるからです。

多くの場合サイディングは、塗膜仕上げ＋接合目地で成り立っています。

塗膜が剝れると外壁材の劣化につながります。

目地の部分に高圧洗浄機を噴射して、コーキングがひび割れると雨漏りの原因となることも。

サイディングはブラシや外壁専用洗剤での手洗いがおすすめです。
>>サイディング外壁に高圧洗浄するデメリットの記事で詳しく解説しています。

天気が良い風のない日に行う

高圧洗浄は晴れて風のない日を選びましょう。

風が強いと水が飛び散って近隣に迷惑がかかることがあります。

洗浄後はカビや水シミが残らないように外壁をしっかり乾燥させたいので、晴れの日が良いでしょう。

雨の日は汚れが再付着するので効率が悪いです。

できるだけ天気の良い午前中に作業をするのがおすすめです。

外壁の汚れの落とし方

外壁の汚れの落とし方としては以下の方法があります。

代表的な汚れの落とし方

ブラシやスポンジで掃除をする

外壁の汚れはブラシやスポンジで掃除するのが安全です。

雨だれや軽い汚れは、手作業で落とせば外壁を傷めないからです。

ホームセンターにある外壁用のブラシや100均の柔らかいブラシでOK。

洗剤はキッチン洗剤などの中性洗剤で代用できますが、外壁用洗剤だと効果的です。
雨だれを落とすおすすめのクリーナーは>>外壁の雨だれ汚れを落とす洗剤の記事で紹介しています。

高圧洗浄機で掃除をする

外壁のコケや黒ずみは高圧洗浄機で掃除をすることができます。

使用する際は、1階や手が届く範囲で安全に作業をしましょう。

水圧が強いと剝れが心配なので、弱めの水圧で掃除をするのがポイント。

外壁のつなぎ目や配線部は避けて掃除をしましょう。

>>外壁掃除の高圧洗浄機の注意点で高圧洗浄機での掃除のやり方を詳しく解説しています。

外壁洗浄専門業者に依頼する

2階や屋根回りの洗浄など高所作業が必要な場合は、プロの業者に依頼しましょう。

高所には足場を組んで作業するので、安全に確実に汚れを除去してもらえます。

専門知識とノウハウがあるので、効率よく作業ができ仕上がりも満足できるでしょう。

>>外壁のコケ取りは業者に依頼？の記事で業者に依頼する費用や依頼の判断基準を紹介しています。

高圧洗浄にかかる時間は>>外壁塗装の高圧洗浄の時間が2時間？の記事を参考にして下さい。

外壁の汚れ別の掃除方法

外壁の汚れは汚れの種類ごとに適切な方法で掃除をすることで、素材を傷めずにきれいに仕上げることができます。

外壁の種類や汚れの程度によって、外壁の汚れの落とし方は変わってきます。

外壁の汚れは「コケ・カビ、雨だれ、排気ガス汚れ」などが多いです。

汚れのタイプ別に、

• 特徴
• 掃除方法
• 道具・洗剤の選び方

を確認していきましょう。

汚れの種類	掃除方法	再発防止策
雨だれ	スポンジ＋中性洗剤	月1の拭き取りが効果的
コケ・カビ	コケ取り専用洗剤	除菌処理が必須
排気ガス	弱アルカリ洗剤＋手洗い	周囲の環境改善
土埃・黄砂	水洗い＋柔らかいブラシ	雨の後に水で流す

雨だれ汚れの落とし方

外壁のサッシの下・窓下・ベランダ下などに黒い筋が垂れているのは、雨だれの汚れです。

これは雨と一緒に大気中のチリや排気ガスのススなどが壁を流れ、筋状に固着したもの。

掃除方法

中性洗剤や雨だれ専用クリーナーを使ってブラシやスポンジでこすり洗いしましょう。

手順

こする際は縦にこすると跡が残りにくいです。

塗装を傷めない洗剤を使用し、洗い残しがないようにしっかりすすぎましょう。

外壁専用クリーナーについては後述しますが>>【外壁汚れ落とし】でも紹介しています。

コケ・カビの落とし方

外壁の日上がりの悪い北側や風通しの悪い場所にある、緑から黒の汚れはコケやカビが原因です。

ブラシやスポンジで水洗いでも落とせますが、コケ取り専用洗剤を使うのがおすすめです。

根が残っているとすぐに再発するので、コケ専用の洗剤を使用すると良いでしょう。

掃除方法

手順

コケ取りスプレーは塗布して水洗い不要のものが便利です。>>外壁のコケ掃除の記事も参考にして下さい。

外壁の種類によっては変色などの恐れがあります。使えるかどうか必ず確認しましょう。

排気ガスや油汚れの落とし方

排気ガスや油汚れは道路沿いや飲食店の壁に多い汚れで、油分やススを含みベタっとしています。

掃除方法

弱アルカリ性の洗剤を使いブラシでこすって落とす

しつこい汚れは1回の洗浄では落ちにくく、繰り返し掃除をする必要があるケースが少なくありません。

ホコリ・花粉・黄砂の落とし方

外壁全体がうっすら茶色くくすみ、春先や風の強い時期に増える汚れです。

長期間放置すると定着してシミになるので、放置しないですぐに掃除をするのがおすすめです。

掃除方法

水をかけながらブラシやスポンジで軽くこするだけで落ちる

外壁掃除におすすめの洗剤・ブラシ

外壁掃除におすすめの洗剤・ブラシを紹介します。

外壁掃除におすすめの洗剤

商品名	性能	対応する汚れ	使いやすさ	価格帯	特徴
コスケム 新ネバドーレ	◎（超強力）	雨だれ・黒ずみ	△（業務用）	高め	プロ仕様の強力タイプ
スペースショット	◎	雨だれ・油・手垢	○	やや高め	万能型で環境配慮
マジックアマドーレ	○	雨だれ専用	○	中程度	国産・雨だれ特化
友和 ホームケア	○	雨だれ・コケ	◎	安価	家庭用で初心者向け
アサヒペン 洗浄スプレー	○	雨だれ・黒ずみ	◎	安価	手軽に試せる定番
カインズ 外壁洗剤	△	雨だれ・コケ等	◎	非常に安価	大容量で安価

業務用の洗剤は洗浄力が強いですが、使い方には注意が必要です。>>外壁の雨だれ汚れを落とす洗剤の記事でおすすめのクリーナーを紹介しています。

説明書をよく読んで、自宅の外壁に使えるか確認しましょう。

おすすめのブラシ

外壁クリーニングを業者に依頼する費用

自分で外壁を掃除することができますが、高所や広範囲の汚れは業者に依頼すると良いでしょう。

料金相場と内訳を確認してみましょう。

建物の種類	洗浄方法	平均相場
一戸建て（30坪）	高圧洗浄のみ	約2万円〜4万円
一戸建て（30坪）	バイオ洗浄	約4万円〜7万円
アパート・集合住宅	高圧洗浄	10万円以上

足場の設置が必要な場合は、洗浄代＋5万円程度が必要になります。

>>外壁洗浄の費用相場の記事で>>単価や費用の内訳などを詳しく解説しています。

業者に依頼する際は、少なくとも2～3社に見積もりを依頼するようにしましょう。

費用相場や提案内容を比較することができます。

信頼できる業者を選ぶために>>外壁洗浄業者の選び方の記事も参考にして下さい。

まとめ

外壁を高圧洗浄機で自分で掃除するためには、正しい知識と道具が必要です。

むやみに高圧の水を噴射すると塗膜が破れたりして、外壁の劣化を加速させてしまうこともあるからです。

キレイにするつもりが汚れが付きやすくなってしまうことになりかねません。

外壁の汚れを落とすときは素材に合った洗浄方法を選んで、水圧や天候に注意し安全に作業をしましょう。

とはいえ、2階部分や劣化が進んだ外壁の掃除は、プロの業者に依頼するほうが安心です。

信頼できる業者に依頼することで、家の外壁を安全に美しく仕上げることができますよ。