外壁のバイオ洗浄とは|デメリット・メリットや高圧洗浄との違いを解説

外壁のバイオ洗浄とは|デメリット・メリットや高圧洗浄との違いを解説

外壁洗浄の方法のひとつである「バイオ洗浄」をご存知でしょうか。

バイオ洗浄は微生物の力を利用して汚れを分解・除去する洗浄剤を使う方法で、環境に優しい洗浄方法として人気です。

高圧洗浄とはどういった違いや、メリット・デメリットがあるのか分かりやすく解説します。

また、バイオ洗浄がオススメのケースや、効果的なバイオ洗浄液をご紹介しますので、外壁洗浄をそろそろ検討したいという方はぜひ参考にご覧ください。

目次

外壁のバイオ洗浄とは

外壁のバイオ洗浄とは

外壁のバイオ洗浄とは、微生物の力を利用して外壁の汚れを分解・除去する洗浄方法です。

環境に優しいアプローチとして注目されており、従来の化学薬品や高圧洗浄と比べてさまざまな利点があります。

例えば、バイオ洗浄は主に以下のような汚れに効果的です。

  • カビやコケ: 湿気の多い地域でよく見られる有機汚れ。
  • 油汚れ: 食品工場や飲食店などで発生する油脂汚れ。
  • その他の有機汚れ: 花粉や樹液など、自然由来の汚れ。

バイオ洗浄と高圧洗浄の違い

バイオ洗浄は自然由来の薬剤を使用して洗浄するため、高圧洗浄と比べて外壁への負担や、周囲への汚水飛散が軽減できるといった違いがあります。

以下は、洗浄方法とその効果について違いを比較した一覧表です。

洗浄方法効果
バイオ洗浄洗浄液を塗布し、汚れを分解・除去後にすすぎ洗いカビやコケ、油汚れなどを根本から除去・除菌効果あり
高圧洗浄高圧洗浄機で強力な水圧を噴射し洗浄砂埃や排気ガス、錆などに短時間でアプローチ・即効性効果あり

バイオ洗浄の注意点

バイオ洗浄は、すべての汚れに対して効果的とは限りません。

例えば、無機汚れ(砂埃や排気ガス、錆など)には効果が薄い場合もあるため、洗浄方法を選ぶ際には専門業社に相談する必要があります。

特にカビやコケが気になる場合に適した選択肢。

バイオ洗浄のメリット・デメリット

バイオ洗浄のメリット・デメリット

バイオ洗浄は、環境に配慮した効果的な洗浄方法ですが、メリットとデメリットを理解し、適切な状況で使用することが重要です。以下は具体的に挙げられるメリット・デメリットの内容です。

メリットデメリット
素材への負担が少ない
カビ・コケを根元から除去できる
費用がかかる
乾燥時間が長い

バイオ洗浄のメリット

高圧洗浄よりもやさしい洗い方となるため、以下のようなメリットが言えます。

メリット

  • 素材への負担が少ない
  • カビ・コケを根元から除去できる

素材への負担が少ない


バイオ洗浄は、微生物や自然由来の成分を使用するため、化学薬品に比べて環境負荷が少ないです。

周囲の植物や動物にも優しく、安全に使用でき、外壁の素材を傷めるリスクが低いです。

特にデリケートな材質や仕上げのある外壁には適しています。

カビ・コケを根元から除去できる


カビやコケなどの有機汚れに対して高い効果を発揮します。

特に湿気の多い地域では、従来の洗浄方法では除去しきれない汚れを効果的に落とすことができます。

一度の洗浄で持続的に効果が期待できます。

バイオ洗浄のデメリット

有益なメリットがあるぶん、コストがかかる点がデメリットと言えるでしょう。

デメリット

  • 費用がかかる
  • 乾燥時間が長い

費用がかかる

専門のバイオ洗浄業者に依頼する場合、他の洗浄方法に比べてコストが高くなることがあります。

それぞれの洗浄費用は以下が相場です。

費用の種類  単価
高圧洗浄代100〜300円/㎡
バイオ洗浄代500〜800円/㎡
水道代高圧洗浄:1,000~2,000円
バイオ洗浄:2,000~4,000円

乾燥時間が長い

バイオ洗浄では、高圧洗浄よりも多くの水を使用しているため、塗装までに洗浄後は2~3日間程乾燥させる期間が必要です。

高圧洗浄の乾燥時間バイオ洗浄の乾燥時間
1~1.5日間2~3日間

2倍以上の作業時間が必要!

外壁洗浄でバイオ洗浄をした方が良いケース

外壁洗浄でバイオ洗浄をした方が良いケース

外壁洗浄でバイオ洗浄をした方が良いケースは下記の場合です。

バイオ洗浄が良いケース

  • 湿気が多くカビ・コケがひどい
  • 凸凹の多い外壁材
  • 隣家との距離が近い
  • レンがタイル・石調タイルの外壁材

湿気が多くカビ・コケがひどい

湿気が多い環境では、カビやコケが発生しやすく、従来の洗浄方法では完全に除去しきれないことがあるため。

バイオ洗浄は微生物の力を利用して、汚れを分解し、持続的に防止する効果があるため、特に湿気の多い場所での使用が推奨されます。

>>外壁塗装でコケの原因では、コケ・カビ・藻の除去方法や予防対策を解説しています。

凸凹の多い外壁材

凹凸のある外壁は、一般的な洗浄方法では洗剤が行き届きにくく、汚れが残りがちだからです。

バイオ洗浄では、柔らかい水圧で洗浄が行われ、細かな凹凸にもしっかりと作用するため、効果的に汚れを取り除くことができます。

>>漆喰外壁にケルヒャーでは、デコボコした漆喰壁・塗り壁汚れに効果的な落とし方をお伝えしています。

隣家との距離が近い

隣家が近いと、高圧洗浄などの強い水圧を使用することで、洗剤や水しぶきが隣家に影響を与える恐れがあるからです。

バイオ洗浄は低圧で行うため、周囲に配慮しながら安全に作業できるので、近隣トラブルを避けられます。

>>【外壁塗装】高圧洗浄の近隣トラブル!では起こりうるトラブル事例についてご覧いただけます。

レンがタイル・石調タイルの外壁材

これらの外壁材は、耐久性がありますが、洗浄によって表面が傷つくこともあるためです。

バイオ洗浄は、外壁を傷めにくく、表面のテクスチャーを保ちながら、汚れをしっかりと取り除くため、特にこうした外壁材に適しています。

外壁洗浄でバイオ洗浄が必要ないケース

外壁洗浄でバイオ洗浄が必要ないケース

外壁洗浄でバイオ洗浄が必要ないケースも見ていきましょう。

主に以下の場合です。

必要ないケース

  • 砂埃や排気ガス・錆の汚れのみ
  • カビやコケが少ない

砂埃や排気ガス・錆の汚れのみ

外壁が主に砂埃や排気ガス、錆の汚れである場合、バイオ洗浄の効果はあまり期待できません。

これらの汚れは、微生物を使用した洗浄方法では効果的に取り除けないことがあるためです。

このような場合には、高圧洗浄や専用の洗剤を使用する方が効果的で、短時間で汚れをしっかり落とすことができます。

特に、強い水圧で砂埃や排気ガスによる汚れを一掃できるため、高圧洗浄が適しています。

カビやコケが少ない

外壁にカビやコケがほとんど見られない場合、バイオ洗浄の必要性は低くなります。

バイオ洗浄は主に有機汚れに対して効果的ですが、カビやコケが少ない状態であれば、従来の洗浄方法で十分だからです。

水洗いだけでも清掃効果が高い場合が多く、バイオ洗浄にかかる手間やコストを考えると、よりシンプルなアプローチが適していることがあります。

バイオ洗浄のやり方

バイオ洗浄のやり方は、以下のステップに分けられます。

STEP
準備

道具と材料を揃える: バイオ洗浄用の洗浄液、スプレーボトルまたは霧吹き、ブラシ(またはスポンジ)、水桶、保護具(手袋、マスク、ゴーグルなど)を用意します。

周囲の確認: 洗浄を行う場所の周囲を確認し、洗浄中に他の物に影響を与えないようにします。近隣への配慮も重要です。

STEP
洗浄液の準備

希釈: バイオ洗浄液を水で適切に希釈します。製品の指示に従って、適切な濃度で準備します。濃度が濃すぎると効果が落ちたり、逆に薄すぎると効果が出ないことがあります。

STEP
洗浄前の湿らせ

表面を湿らせる: 洗浄する外壁を水で軽く湿らせておくと、汚れが浮きやすくなり、洗浄効果が高まります。特に、カビやコケがある場合は、しっかりと湿らせてから作業を行います。

STEP
洗浄液の塗布

スプレーまたは霧吹きで塗布: 準備したバイオ洗浄液を外壁に均一にスプレーします。特に汚れがひどい部分には多めに塗布します。バイオ洗浄液が汚れに浸透するのを助けるため、数分放置します。

STEP
汚れの除去

ブラシやスポンジでこする: 汚れが浮き上がったら、ブラシやスポンジで優しくこすりながら汚れを取り除きます。強くこすりすぎると、外壁を傷めることがあるため、注意が必要です。

STEP
洗浄液のすすぎ

水で十分にすすぐ: バイオ洗浄後は、洗浄液をしっかりと水で流します。残った洗浄液が外壁に影響を及ぼすことがないよう、十分に洗い流します。

STEP
乾燥とチェック

乾燥: 洗浄後、外壁が完全に乾燥するまで待ちます。その後、汚れが残っていないかを確認します。もし汚れが残っている場合は、再度洗浄を行うことが必要です。

STEP
仕上げ

必要に応じて再処理: 特に気になる部分や、再発防止のために、必要に応じてバイオ洗浄を繰り返すことが推奨されます。

外壁のバイオ洗浄におすすめの洗浄液

最後に、オススメの外壁用バイオ洗浄剤を参考までにご紹介します。

商品名画像価格成分
SKクリーナースーパー植物性バイオ洗浄剤 SKクリーナースーパー24,420円弱アルカリ性
プロバイオクリーン16,980円中性
ジップクリーン8,798円アルカリ性
リニュー9,568円弱酸性
ニュートラクリーンニュートラクリーン17,578円中性

希釈して使用できるので経済的。

【エスケー化研】植物性バイオ洗浄剤 SKクリーナースーパー

植物性バイオ洗浄剤 SKクリーナースーパー

画像:PAINT-CITY.COM

SKクリーナースーパーの施工方法は吹付で、植物成分を主原料としているため、環境や人体に優しく安心です。

バイオ技術の応用により、頑固な汚れも効果的に分解、除去。また抗菌効果も期待でき、コケ・カビやバクテリアなどの微生物汚染も抑制・除去し、衛生的な環境を維持できます。

【シーバイエス】プロバイオクリーンN20ND

画像:モノタロウ

調理用具・器具から設備・施設まで、幅広い用途に使用できる中性タイプの除菌洗浄剤。

【コムスター】ジップクリーン

画像:モノタロウ

アルカリ性の生分解性バイオ洗浄剤で、洗浄効果を促進。

頑固な油汚れや粉塵に効果を発揮し、生分解性で環境にやさしく、脱脂洗浄に優れた洗浄剤で、洗浄後に光沢を持たせます。

【コムスター】リニュー

リニュー

画像:モノタロウ

外壁塗装面に付着している頑固な汚れや雨垢、サビ、染みの洗浄で瞬時に効果を発揮します。

刺激・においが少なく、環境に優しい生分解性バイオ洗浄剤。

【コムスター】ニュートラクリーン

ニュートラクリーン

画像:モノタロウ

無臭で水洗い不要、植栽OKなニュートラクリーンは、高い洗浄力を持ちます。

機械洗浄・浸漬洗浄・手洗洗浄と幅広く使用する事が可能。

塗装前の下地処理として、タイルやサイディング等あらゆる外壁洗浄に使用できます。

まとめ

外壁のバイオ洗浄は、微生物の力で外壁の汚れを分解・除去する方法です。

環境に優しく、外壁素材にダメージを与えにくい点が特徴。

一般的な高圧洗浄に比べ、低圧で洗浄できるため、塗装面や素材への負担が少なく、特にカビやコケなどの有機汚れに効果的です。

一方で、高圧洗浄よりも費用や時間がかかるといったデメリットもあるため、急ぎの場合は高圧洗浄が適していることもあるでしょう。

バイオ洗浄と高圧洗浄のメリット・デメリットを理解し、汚れの種類や外壁の状況に応じて最適な方法を選択することで、外壁の美観と耐久性を長く保つことができます。

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