高圧洗浄機は外壁が痛む?高圧洗浄のトラブル・注意点や汚れの落とし方

外壁の汚れが気になった時、自分で高圧洗浄機できれいにしようと考える方は多いです。
ですが、DIYでケルヒャーなどの高圧洗浄機で外壁の掃除をしてトラブルになったというケースも。
- 外壁が傷んだ
- 隣の家とトラブルになった
- 塗装が剝れたり欠けたりした
など、高圧洗浄でのトラブルは少なくありません。
結論から言って、高圧洗浄機で洗浄をすると外壁が痛む可能性が高いです。
高圧洗浄でのトラブル事例や使う際の注意点を解説していきます。
大切な住宅の外壁を守りながらきれいに保つための参考にして下さい。
高圧洗浄機で外壁が痛むことがある

高圧洗浄機は、強すぎる洗浄力が外壁を傷つける原因となることがあります。
高圧洗浄機で外壁が痛む例
例 | 内容 |
---|---|
外壁の塗膜が剝れる | 経年劣化した塗膜に高圧水を充てることで表面の塗膜が浮いて剝れる |
素材を傷める | サイディング・モルタルなど外壁そのものが痛む |
コーキングが破損する | シーリング材が切れたり接着が弱くなる 漏水につながるケースも。 |
特に劣化している外壁や古い塗装面を洗浄する際は注意が必要です。
外壁の塗膜が剝れる
高圧洗浄機で外壁の塗膜が剝れることがあります。
築年数がたった住宅の場合、塗装面が弱っていることが多いです。
- 築10年以上の家
- チョーキング現象が出ている
などの場合は、塗膜が剝れやすくなります。
ここに強い水圧をかけると塗膜が浮いたり剝れたりすることも。
外壁の塗装は紫外線や風雨で、年月がたつごとに劣化していきます。

築10年以上の住宅はリスクが高いです。
素材を傷める
高圧洗浄機を使うことで素材を傷めるケースも。
モルタルやALSは割れやすいので、高圧での洗浄には注意が必要です。
ひび割れがあるモルタル壁に強い水圧をかけると、ぼろぼろと崩れる恐れもあります。
丈夫そうに見えるサイディングも、塗膜がはがされることで内部に水が入り込む可能性があり、建物全体の劣化を早める原因となります。
ヘーベルハウスに使われるALSに高圧洗浄をするのは注意が必要です。>>へーベルハウスの外壁にケルヒャーで高圧洗浄は要注意の記事を参考にして下さい。
コーキングが破損する
強い水圧でコーキングが破損するケースもあります。
コーキングはサイディング外壁のつなぎ目や窓回りに使われています。
ここに高圧水をかけ続けると接着面が剝れたり水が入り込みやすくなります。
内部のカビや腐食や雨漏りの原因になることもあり、リフォームの費用が数百万になってしまうことも。
高圧洗浄機を使う際は、コーキングに水を当て続けないように注意しましょう。
高圧洗浄機は手軽に外壁の汚れを落とせますが、外壁の状況によってはダメージを与えてしまうことがあります。
使う前に外壁の劣化状況を確認することが大切です。
高圧洗浄機で外壁を洗浄して起こるトラブル

高圧洗浄は手軽に外壁の汚れやコケを落とせて便利ですが、間違った使い方による「トラブル」もとても多いです。
事前にどんなトラブルがあるのか知っておくことで、未然に防ぐことが可能です。
トラブルの内容 | 原因 | 対応策 | 予防するポイント |
---|---|---|---|
塗膜の剝がれ | 経年劣化+高圧噴射 | 再塗装(足場設置費含め20〜40万円) | 築10年以上は事前点検 低圧洗浄 |
サイディングの表面が剝がれる | 強圧による表面樹脂破壊 | コーティング再施工 | 水圧調整(最大5MPa以下) 試し噴射を行う |
コーキングの剝離・破断 | 噴射角度が鋭角、劣化材に直接当てた | シーリング材の打ち直し | 噴射角は90度を避ける 目地は養生するか避ける |
隣家との水飛散トラブル | 養生不十分・風下に飛沫 | クリーニング費・菓子折など隣家への謝罪対応 | 洗浄前に声かけ シートなどで養生 |
換気口から水が侵入 | 排気フードへの直噴 | 床張替え+脱臭処理(10万円以上) | 換気口や開口部には当てない 養生を徹底する |
足場なし高所作業による転落 | はしごでの無理な作業 | 医療費+工事中断 | 高所作業は業者に依頼。DIYは2階以上禁止 |
モルタル外壁のクラック拡大 | 微細な亀裂に強圧が浸透 | クラック補修+外壁塗装 | 事前にクラック補修 洗浄は控えめにする |
ケルヒャーで外壁全体がチョーク化 | 塗膜が粉化し白くなる | 外観が汚くなり塗装が必要に | 「チョーキング現象」が出ている場合は絶対に使用しない |
内部結露の悪化 | 洗浄時に水分が断熱材まで到達 | 壁体内乾燥+断熱材交換(高額) | 経年住宅は外壁診断必須 張替えの検討 |
外壁材が剝がれて落下 | 洗浄後の浮きが進行 | 躯体補修+交換 | 剝がれや反りのある外壁には洗浄を行わない |

よくあるトラブルを5つ解説していきます。
外壁の塗膜や素材が剝れる
外壁の塗膜や素材が剝れてしまうトラブルは異常に多いです。
業務用に比べれば水圧は低いですが、経年劣化した外壁や間違った使い方によって剝れてしまうこともあります。
内部に水が浸入して補修工事をしなくてはならなくなるリスクがあります。
隣家に水が飛散する
高圧洗浄機で洗浄中に水や汚れが飛び散って、隣家の敷地・洗濯物・車にかかったというトラブルは後を絶ちません。
状況によっては損害賠償を請求されることも。
事前に隣家に声をかけて、養生をしっかりすることが重要です。
水が室内に侵入する
換気口や隙間から水が浸入し、床の張替えや脱臭処理をしなくてはならなくなったというトラブルもあります。
高圧洗浄機で洗浄する際は、換気口に当てないようにして養生を徹底しましょう。
古い窓や換気フード・24時間換気システムの排気口などは、水が室内に逆流することがあるので注意が必要です。
高所からの転落
足場の悪い高所の外壁を高圧洗浄機で掃除をしようとして、転落してしまうトラブルも。
はしごや脚立など、不安定な場所での作業は危険です。
医療費がかかって帰って費用がかさむ結果になりかねないので、高所での作業は業者に依頼することをおすすめします。
コーキングの破損
高圧水をコーキングに当てることで、目地が避けて水が入り込むトラブルもあります。
ひび割れているコーキングは打ち直しが必要です。
高圧洗浄機を使う際は30㎝以上離して、強すぎる水圧で洗浄しないようにしましょう。
築年数がたった家の外壁洗浄はプロの業者に依頼することをおすすめします。
>>外壁洗浄業者の選び方の記事を参考にして、信頼できる業者を選びましょう。
高圧洗浄機で外壁を洗浄する際の注意点

高圧洗浄機で外壁を洗浄する際は以下の点に注意しましょう。
- 同じところを長時間噴射しない
- 水圧の強さに気を付ける
- 水の飛散防止対策をする
- 高所の作業はしない
- 換気口や排気口に水を当てない
- 外壁の状態をチェックしてから洗浄する

トラブルを防ぐために注意点を守って使用して下さいね。
手軽に広範囲の掃除ができるメリットがありますが、塗装が剝れたり外壁を傷めるデメリットがあることには注意しましょう。
同じところを長時間噴射しない
同じところに噴射せず、一定の速度で動かしながら洗浄しましょう。
1か所に当て続けると塗装や素材を傷めやすいからです。
むらなく洗うためにノズルを常に動かしながら噴射しましょう。
水圧の強さに気を付ける
適正な水圧以上で洗浄すると素材自体を傷める可能性があります。
水圧は5MPa前後を上限とし、素材に応じて調整しましょう。
ケルヒャーなどの家庭用の高圧洗浄機でも、ノズルのタイプによっては水圧が極端に強い場合があります。
外壁の素材に応じて注意して使用しましょう。
外壁の素材ごとにおすすめの水圧
外壁材 | 推奨水圧(MPa) | 備考 |
---|---|---|
モルタル | 5〜7 | 劣化している場合は注意 |
サイディング | 3〜5 | 継ぎ目の目地破損に注意 |
タイル | 6〜10 | 目地モルタルの劣化注意 |
水の飛散防止対策をする
水の飛散防止対策をすることはとても重要です。
近隣とのトラブルを防ぐために養生は必須。
洗浄前にブルーシートや養生ネットなどで洗濯物・車などを保護しましょう。
高所の作業はしない
2階以上の外壁の洗浄は業者に依頼しましょう。
はしごや脚立から転落するリスクがあるからです。
高所での作業はバランスを崩して転落したり、感電事故の危険もあります。
無理をせずに高所の作業はプロに任せるようにしましょう。
換気口や排気口に水を当てない
換気口や排気口に水を当てないように注意しましょう。
内部に水が浸入して、床が水浸しになったり断熱材を腐らせるリスクがあるからです。
排気口は水が浸入しやすく、カビや腐食など見えない部分でダメージが広がることがあります。
換気口や排気口はしっかりと養生し、直接噴射しないようにしましょう。
外壁の状態をチェックしてから洗浄する
高圧洗浄機での作業前に、外壁の状態をチェックすることが大切です。
ひび割れや外壁材のそりや浮きのある場合は、補修が必要になります。
チョーキングのある外壁は再塗装を検討しましょう。
塗膜の剥離や水の侵入を防ぐための対処を行ってから、高圧洗浄機は使用しましょう。
経年劣化している場合はプロの業者に依頼するのがおすすめ!
築年数が経過している建物や塗装が劣化している外壁は、自分で高圧洗浄機を使って掃除をすることはお勧めできません。
様々なトラブルになる可能性があるので、プロの業者に依頼する方が安全です。
プロへの依頼をおすすめする理由
- 外壁診断を事前に行い、状態に応じて洗浄方法を選定する
- 適正な水圧調整や養生、飛散対策が徹底されている
- 近隣へのあいさつやトラブル対応にも慣れている
自分でやるよりは費用はかかりますが、仕上がりと安全性を考えると十分な価値があるでしょう。
高圧洗浄機は手軽に汚れを落とせる便利な道具ですが、注意して使わないとトラブルの元。
外壁の状態や周囲への配慮など、プロの判断が必要となるケースが多いです。
プロの業者に依頼する際の費用については>>外壁洗浄の費用相場の記事で単価や費用の決まり方を解説していますよ。
まとめ
外壁の高圧洗浄は、正しく使えば手軽に外壁をきれいにすることができます。
ですが、
- 「塗装が剝がれた」
- 「隣家とトラブルになった」
- 「室内が濡れた」
といったトラブルは少なくありません。
自分で高圧洗浄機を使って外壁を洗浄する際は、外壁の劣化状態をチェックすることが重要です。
作業前に近隣への配慮をすることで、近隣トラブルを防ぐことができるでしょう。
築年数がたった家や高所の汚れなどはプロの業者に相談することをおすすめします。
安心して外壁掃除を終わらせるために、外壁の状態のチェックから始めてみてはいかがでしょうか。