080-4199-0852
サイディングの外壁メンテナンスの費用や時期|窯業系はメンテナンスフリー?
家のサイディングの外壁メンテナンスの費用は、作業内容や面積によって大きく変動します。
例えば以下のように。
- 高圧洗浄は3万円~
- コーキングの打ち替え・打ち増しなら20万円~
- 塗装や外壁の張り替え工事は60万円~
メンテナンス時期も10年前後と外壁の状態や種類によって様々。
サイディング外壁の中には、「メンテナンスフリー」といわれる外壁材もありますが、一生涯メンテナンスが不要ということではありません。
実際には適切なタイミングで正しいメンテナンスを行わないと、劣化が進んで修繕費用が高額になる可能性もあります。
今回は、サイディング外壁のメンテナンス費用や最適な時期、そして窯業系サイディングがメンテナンスフリーではない理由ついて詳しく解説します。
外壁材のメンテナンスフリーとは
新築の戸建てで外壁材を選ぶ際に、メーカーなどが薦めている「メンテナンスフリー」の外壁材は生涯お手入れがいらないように聞こえますが、実際にはそうではありません。
サイディングの種類や状況、状態によって様々ですが、約7年〜10年に1度のメンテナンスが必要です。
なぜなら、高い耐久性を誇るサイディングであっても、つねに紫外線ダメージや風雨などにさらされている外壁は経年劣化が避けられないからです。
さらにサイディングの劣化を放置することで、外壁内部に水が入り込み、柱や防水シートなどの腐食に発展する可能性が高いのです。
このように劣化症状が進むほど、高額なメンテナンス費用がかかることになってしまうため注意が必要です。
定期的なメンテナンスでよりコスパ良く外壁を維持できる!
外壁の種類に関係なくメンテナンスは必要不可欠
サイディングの外壁材の中には「30年メンテナンスフリー外壁」などといったものも耳にすることがありますね。
たとえ、そのような高い耐久性と言われる外壁材であっても、前述と同様に適切な時期に正しいメンテナンス方法を行いましょう。
コーキング剤や塗料では、耐用年数30年程度のものが現段階では存在しません。
ほかの外壁材と同様に定期的なメンテナンスをすることで、外壁だけでなく建物自体の寿命を延ばす効果が期待できます。
>>外壁塗装が必要ない家では、塗装がいらないと言われる家の特徴やその理由について詳しくご紹介しています。
メンテナンス方法と費用の目安
サイディング外壁材のメンテナンスには以下の方法があります。
種類 | 費用 |
高圧洗浄 | 1.5〜3万円 (150~300円程度/㎡) |
バイオ洗浄 | 5〜8万円 (500~800円程度/㎡) |
塗装 | 60~100万円前後 |
コーキングの打ち替え・打ち増し | 20~40万円前後 (900~1,300円程度/m ) |
重ね張り | 60~200万円前後 |
張り替え | 60~300万円前後 |
洗浄
外壁洗浄には、高圧洗浄とバイオ洗浄があり、汚れを洗い流すだけで外壁が蘇るケースもあります。
それは、築年数がそれほど経っていない場合や、劣化症状がほとんど見られないケースです。
高圧洗浄だけでも十分強い洗浄力ですが、それでも落とせない強固な汚れには、特殊薬剤を添付して洗浄する「バイオ洗浄」を使用します。
高圧洗浄は塗装をする前処理として行うことが一般的です。
塗装
塗装はデザイン性だけでなく、風雨や紫外線などの外的ダメージから保護する役割もはたしています。
塗装が剥がれると、その部分から劣化が進んでしまうので、サイディング自体の劣化を早めることにつながります。
塗料の種類によって耐用年数が大幅に変動するため、外壁素材だけでなく使用している塗料の寿命も着目して再塗装を検討することが大切です。
補修
外壁の補修工事は、塗装の塗り替えのみでは修繕できないケースに必要です。
その場合、以下のメンテナンスが該当します。
- コーキングの打ち替え
- コーキングの打ち増し
劣化症状が少しでも確認できるときは、専門業者に点検して適切な判断をしてもらうことをオススメします。
重ね張り工事(カバー工法)
サイディング自体の寿命が来ているなど、劣化症状がひどい場合は、重ね張り工事が必要です。
重ね張りには金属系サイディングが軽量で使われることが多いです。
撤去が必要な張り替え工事よりも工事期間や費用を抑えることができます。
張り替え工事
サイディングの表面だけにとどまらず外壁の内部構造にまで劣化が及んでいる場合、張り替え工事を検討します。
ただ、サイディングと内側のメンテナンスができるため、雨漏りや耐震対策に効果が期待できます。
サイディングのメンテナンス時期
サイディングのメンテナンス時期は以下のように種類ごとに違ってきます。
種類 | 時期 | 詳細 |
窯業系サイディング | 7~10年 | 主原料はセメントと繊維質 サイディングの中でも主流のタイプ デザインが豊富 |
木質系サイディング | 10年程度 | 天然木・合板などの木材 自然な風合いが魅力 環境にも優しく断熱性に優れている |
金属系サイディング | 10~15年 | 加工した金属を断熱材で裏打ちしたもの 塗装仕上げが不要で軽量 断熱性・耐震性に優れている 省エネ効果が期待できる サビに注意が必要 |
樹脂系サイディング | 10~20年 | 主原料は塩化ビニル樹脂(プラスチック) 高耐久なサイディング 目地にシーリングが必要ない場合がある 素材が軽くて耐震性が高い 雨水や塩害に強い 紫外線に弱い デザインのバリエーションが少ない 海外で主流なため工事難易度が高い 工事費用が高くなりやすい |
それぞれのメンテナンス時期の目安や特徴について確認しましょう。
窯業系サイディング
窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、国内の住宅で最も主流の外壁材です。
そのためデザインやパターンのバリエーションが豊富で、外観の仕上りにこだわりが強い方にはおすすめ。
ただし、主原料がセメントと繊維質のため吸水性がなく、塗膜の劣化で雨が染み込みやすい点に注意が必要です。
木質系サイディング
木質系サイディングは、断熱性に優れた環境にも優しい素材。
ただ、木材のため湿気に弱く、劣化に繋がる可能性が高めです。
メンテナンス時期の目安は10年ですが、状態によっては早めのメンテナンスが必要!
金属系サイディング
窯業系サイディングに次いで主流のサイディング。
金属系サイディングは耐久性が高いのがメリットである反面、ほかのサイディングよりも金属特有のサビが発生しやすいデメリットがあるため、こまめな状態チェックが必要です。
樹脂系サイディング
他のサイディング素材と比べてメンテナンスの手間が少ないため、ランニングコストはかかりません。
ただし、樹脂サイディングは、施工する季節で取り付け方法が変わり、難易度が高い工事となります。
それは塩化ビニル素材のため、気温などによって伸縮する特性を持つ素材だからです。
塗料ごとの耐用年数
サイディング自体のメンテナンス周期だけでなく、塗装された塗料ごとの耐用年数も関係してきます。
塗料には塗膜によって外壁を守る役割を担っているからです。
塗料にはさまざまな種類やメーカーの商品があり、一般的な耐用年数は10年前後です。
塗料の種類ごとの耐用年数は以下の内容です。
塗料の種類 | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 3~8年 |
ウレタン塗料 | 5~10年 |
シリコン塗料 | 8~15年 |
フッ素塗料 | 12~20年 |
次に、具体的なメンテナンスするべき劣化症状を確認していきましょう。
メンテナンスをするべきサインや劣化症状
サイディング外壁材の耐用年数をご紹介しましたが、年数に関わらずメンテナンスが必要な「劣化サイン」が現れるケースもあります。
下記の劣化症状が見られたら、早めのメンテナンスを!
メンテナンスが必要な劣化サイン
- コーキング材の劣化
- チョーキング
- 汚れや変色
- 反り・浮き・ひび割れ
コーキング材の劣化
サイディングに使用するコーキング材は、雨風・紫外線などの影響で経年劣化しやすく、サイディング自体の劣化を促進させる可能性を含んでいます。
コーキング材(シーリング材)とは、サイディングボードを繋ぎ合わせる接着剤や緩衝材の役割をしているもので、目地があることがほとんどです。
以上を踏まえ、サイディング自体を長持ちさせるためにも、定期的にコーキングの打ち替え・打ち増しが必要となります。
チョーキング
チョーキングが確認できたら、早めのメンテナンスを検討しましょう。
チョーキングとは、塗膜が劣化してしまい粉状の付着が表面に現れる現象のことを言います。
チョーキングを放っておくと、塗装によってできる表面の膜が剥がれ落ち、建物内部に水が侵入しやすくなって、内部腐食の原因になる可能性が高いためです。
汚れや変色
汚れやカビは付着した有機物と湿気、変色は紫外線が原因で発生することがほとんどです。
カビや汚れによる変色は洗浄のみでキレイになるケースですが、サイディングの色自体が色褪せているなら、塗装などのメンテナンスを検討しなければなりません。
放置し続けると塗膜の劣化により、損傷や欠損の原因になりかねないからです。
反り・浮き・ひび割れ
反り・浮き・ひび割れの症状は、経年劣化が主な原因です。
ひび割れ(クラック)は、
- 雨漏り
- 柱の腐食
- シロアリの発生
などといった様々な悪影響が及ぼす可能性が高いため、これらの損傷が確認できた時点で早急に対処しましょう。
自分でできるお手入れ方法
自分でもできるサイディング外壁のお手入れ方法を種類ごとにご紹介します。
- 窯業系サイディング
- 木質系サイディング
- 金属系サイディング
- 樹脂系サイディング
こまめなお手入れをしておくことで、必要なメンテナンスの頻度を下げることができるメリットがあります。
窯業系サイディング
窯業系サイディングのお手入れは、ホースまたは柔らかい布などを使用して水洗いします。
外壁表面の塗膜に傷を付けないように注意する必要があるからです。
洗剤を使ったら、水でしっかりと洗い流しましょう。
カビやもなどに対応する漂白剤は、窯業系サイディングを傷めるおそれがあるため使用は控えてください。
これを踏まえたうえでも使用したい場合は、目立たない部分にで試してから使います。
木質系サイディング
木質系サイディングボードは水に弱いため、高圧洗浄機は使用せず、専用の薬品を使って洗浄します。
それでも汚れが落ちない場合には、サンドペーパーやケレンで表面を優しく磨いて落としていきます。
金属系サイディング
金属系サイディングは、定期的な水洗いがおすすめ。
金属サイディングを使用した外壁表面には、耐久性の低下原因となる汚染物が付着していることが多いためです。
長期間そのままにしておくと、耐久性の低下やサビを引き起こすおそれがあります。
洗浄剤は十分に水で洗い流し、乾いた布で水分を拭き取ってください。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは基本、ホースの流水で埃や土汚れを洗い流す簡単なお手入れでOK。
サイディングの中でも最も耐久性が高くメンテナンスの手間が少ないプラスチック素材の外壁材だからです。
それでも汚れが落ちなければ、ブラシやスポンジを使うとキレイになります。
中性洗剤を使用しましょう。
酸性洗剤やアルカリ性洗剤、有機溶剤はサイディングの変色につながる可能性があります。
適切なメンテナンスは専門業者に依頼する
外壁のメンテナンスは住宅の美観と耐久性を保つために重要であることがわかりましたね。
外壁メンテナンスを専門業者に依頼する主な理由を以下にまとめます。
専門業者に依頼すべき理由
- 専門知識と技術
- 高品質な仕上がり
- 安全性の確保
- 時間と手間の節約
- 長期的なコスト削減
外壁のメンテナンスは専門業者に依頼することで、知識・技術の高さ、安全性の確保、高品質な仕上がり、時間と手間の節約、そして長期的なコスト削減が期待できます。
住宅の外観と耐久性を保つためには、信頼できる専門業者に定期的なメンテナンスを依頼することが効率的であり、結果的にコスパがいいことにもつながります。
専門知識と技術
専門業者は、外壁材の種類や劣化状態を正確に判断するための知識と技術を持ちあわせているからです。
適切なメンテナンス方法や使用する材料について豊富な経験があり、外壁の状態に最適なメンテナンスをしてもらえます。
高品質な仕上がり
プロの技術により、外壁の補修や塗装は高品質な仕上がりが期待できる点からです。
DIYでの作業では難しい高所や細部まで丁寧に仕上げることができ、外観の美しさを長く維持することが可能です。
安全性の確保
外壁のメンテナンス作業は高所で行われることが多く、危険を伴うためです。
専門業者なら適切な安全装備と手順を熟知しており、安心して作業をお任せできます。
時間と手間の節約
外壁メンテナンスは時間と手間がかかる作業だからです。
専門業者に依頼することで、自分の時間を有効に使うことができ、ストレスを軽減できます。
長期的なコスト削減
専門業者による定期的なメンテナンスを受けることで、大規模な修繕が必要になる前に問題を早期発見・対処できるからです。
これにより、長期的な視点からメンテナンスコストを削減できます。
まとめ
サイディング外壁材のメンテナンスについてご紹介しました。
メンテナンスフリーの外壁材は、メンテナンス不要というわけではなく、お手入れの頻度が少なくて済むといった意味合い。
サイディングは、板状の貼り付け工法のため、繋ぎ目になる目地や接着剤となるコーキングが経年劣化しやすい特徴があります。
また、施工の際の切断面から外壁材そのものが劣化する可能性もあるでしょう。
これらの劣化を放置しておくと、見た目が悪いだけでなく、家そのものにも大きなダメージを与える結果に繋がります。
今回、解説したサイディングのメンテナンス方法と時期や費用の目安を参考にして、コスパよく家の寿命を延ばせるように管理していただければ幸いです。