外壁塗装の足場で隣家トラブル|隣の家との間隔が狭い!越境する場合の注意点

外壁塗装の足場で隣家トラブル|隣の家との間隔が狭い!越境する場合の注意点

「外壁を塗り直したいけど、隣の家との距離が近すぎるから無理?」

「足場などが原因で隣人とトラブルになるのが不安で、外壁塗装を始められない…」

と悩んでいませんか?

外壁塗装には足場が必要ですが、隣家との隙間がないと、足場がどうしても隣地に越境する場合があります。

このようなケースでは、事前の準備や隣人への配慮が不足すると、思わぬトラブルに発展してしまうことも。

しかし、ポイントを押さえた対応を行うことで、安心して工事を進められます。

本記事では、隣家トラブルを未然に防ぎ、外壁塗装を円滑に進めるためのコツや注意点をわかりやすくご紹介します。

齋藤

隣人との関係を大切にしながら、スムーズに外壁塗装を終えたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

隣家トラブルのもと!隣接した足場設置の注意点2つ

隣家との距離が近い場合でも足場が組める可能性はありますが、注意しないと隣人トラブルになるケースがあります。

ここではその2つのケースについて説明します。

隣人トラブルになるケース

  • 足場が隣家に越境する
  • 隣家の外壁に物がぶつかり破損する

①足場が隣家に越境する

外壁塗装の足場を設置する際に、自分の家の敷地内に収まらず隣家の敷地に越境してしまう場合があります。

特に狭小住宅など、建物同士の距離が近い場合・家が境界線ぎりぎりに建てられた場合では、足場が隣の敷地にはみ出してしまう可能性が高まります。

地上では越境しておらず上の空間で越境している「空中越境」でもトラブルの原因となり得ます。

このような越境行為を無断で行うと隣人トラブルに発展する恐れがあるので、事前に隣家へ説明し、承諾をいただくことが必要です。

②隣家の外壁に物がぶつかり破損する

外壁塗装の足場設置中に、足場の部材がぶつかったり、また作業中に塗装機材がぶつかったり、塗料の飛散物が付着してしまう可能性があります。

このような事態を避けるため、事前の養生や適切な防護策が必要ですが、それでも起きてしまった場合、塗装会社が補償の対応をしてくれるかどうかを契約前に確認することが大切です。

請負業者賠償責任保険」に塗装会社が加入していると、会社側が負担してくれるので、その保険に加入しているかどうかを確認しておきましょう。

隣の敷地を借りて足場設置する場合

隣家との距離が50cm以下の場合は、足場が越境してしまう、または作業員が敷地内に入る可能性があるため、隣地の所有者の承諾を得る必要があります。

境界線の上空もそれぞれの敷地の所有権が適応されるので、空中越境の可能性がある場合も説明をしておきましょう。

隣人の理解が得られないまま工事を進めるとトラブルが発展しやすいため、慎重な対応が求められます。

隣地の所有者から承諾を得る

足場を設置するにあたり、どうしても隣家の敷地に越境してしまう場合は、まずは隣地所有者の承諾を得ることが大切です。

何の説明もないまま隣家で工事が始まった場合、自分の家への影響を心配したり、何も説明をしなかった隣家への不信感が募り、関係が悪化する可能性があるからです。

例えば、以下のケースが発生する場合は必ず丁寧に説明し、越境をする場合は承諾を得るようにしましょう。

説明・承諾が必要なケース

  • 足場が越境してしまう(空中越境も含む)場合
  • 足場は越境しないが、足場を組む際に作業員が隣家の侵入してしまう場合
  • 塗料などが飛散する可能性がある場合
  • 作業者が道を塞いでしまう可能性がある場合

家の周りで30センチ確保出来たら狭小地用の単管足場を組むことが可能ですが、その場合でも足場の設置に作業員が隣家の敷地に入らないといけません。

説明・承諾の際は、できれば業者と共に伺い、具体的な工期を丁寧に説明して、使用料の支払い、または1000円以下の粗品をお持ちしましょう。

承諾が得られない場合は裁判で請求

隣人から足場の設置を拒否され、かつどうしても隣の敷地に足場を設置しなければ工事ができない場合は、民法209条第1項「隣地使用権」に基づき裁判で使用請求を行う手段もあります。

この法律は、隣の敷地にどうしても入らなければ工事が完了できない場合、必要に応じて隣地使用を認める内容です。

ただし、裁判となると時間も費用もかかり、さらなる関係悪化を引き起こすため、まずは話し合いで解決を目指すことが望ましいです。

民法209条第1項「隣地使用権」

民法209条第1項「隣地使用権」は、建築や修繕に必要な場合に限り、隣の敷地に一時的に立ち入ることを認める権利です。

ただし、隣人に対して十分な配慮と説明、必要に応じた補償が求められます。

この権利を行使する際は、弁護士に相談の上、最終手段として検討するようにしましょう。

外壁塗装でよくあるご近所トラブル

外壁塗装を行う際には、以下のようなご近所トラブルが起きてしまう可能性があります。

外壁塗装で起きるご近所トラブルの原因

これらのトラブルについて、解決方法も交えながら説明していきます。

外壁塗装を行う際の高圧洗浄で起こるトラブル全般については、>>外壁塗装の高圧洗浄でトラブル|近隣への注意やデメリット・マンションの外壁を参考にしてください。

高圧洗浄機の騒音

外壁塗装の前に行う高圧洗浄は、汚れを落とすために強い水圧を使用するため、大きな音が出ます。

特に、狭小住宅地などは住宅が密集しているため、音とともに振動も伝わりやすいため、作業時間が長くなるほど不快感が高まります。

作業前に近所の方々に洗浄の予定を知らせること、作業時間を配慮して昼間の時間に行うことの2点に配慮することが望ましいです。

高圧洗浄・塗料などの飛散

高圧洗浄によって水が飛散したり、塗料が飛ぶと、隣家の車や窓、洗濯物を汚してしまう可能性があります。

このため、隣家に近い場合は、事前に飛散対策を行うとともに、隣人に配慮した養生を徹底する必要があります。

齋藤

高圧洗浄の場合はスケジュールをお知らせし、その時間帯は洗濯ものの外干しを控えていただくようお願いすることも必要です。

塗料の匂い

外壁塗装に使用する塗料は有機溶剤を使っているため、強い匂いが発生するものもあります。

近隣住民から匂いに対して苦情が来る場合があるため、無臭塗料が使えるかどうかを業者に依頼したり、事前に日程や時間帯などのスケジュールをお知らせしておきましょう。

齋藤

有機溶剤は多量に吸い込むとめまいや気分が悪くなるなどの症状が現れる場合があるため、その時間帯はできれば窓を閉めてもらうようにお願いすると良いですね。

作業員の話し声やマナー

作業員の話し声や態度がクレームに繋がる可能性があります。

時間帯や場所を考えずに大きな声で話したり、断りなしで敷地内に入られたら誰でもいい気はしませんよね。

業者には、近隣トラブルを避けるためのマナーや態度についても教育を依頼しておくと安心です。

また、これまでに作業員によるクレームがあったかどうかは、その会社のGoogleの口コミを見て確認できるので、それも業者選定の際に見ておきましょう。

車両や荷物などで通路を塞ぐ

外壁塗装に必要な荷物や車両が通路を塞ぎ、近隣の住民に不便をかける場合があります。

特に足場を作る際は多くの部材のための大きな車両が必要で、足場を組む際ずっと家の前に停車するためです。

例えば、家の前に大型車両が停車してしまうと車の行き違いができない場合は、その旨を事前に業者に伝えてできるだけ短時間の停車で済ませられるように依頼をしておきましょう。

また、車の往来が激しい時間帯は避けるなど作業時間にも配慮し、なるべく迷惑をかけないように業者側に依頼しましょう。

事前に挨拶がない

工事前に近隣住民へ挨拶を行うことは、トラブルを未然に防ぐための基本的なマナーです。

事前に説明がなく工事が始まると、いつまで騒音や異臭が続くのか、と不安が増してクレームに繋がる可能性が大きくなるからです。

業者が事前に近隣住民への説明をしてくれることもありますが、できれば住人本人も同席することが望ましいです。

例えば、工事の内容や期間について資料を渡して説明に伺うとより詳細に日程が分かって丁寧です。

2つのトラブル予防策

外壁塗装の際の隣人トラブルを避けるには予防策は2つありますが、いずれも基本的かつ当たり前のことなので、抜け漏れがないように対策しましょう。

隣人トラブルを避ける予防策

  • 近隣への挨拶
  • 信頼できる業者を選ぶ

近隣への挨拶

工事を始める前に、近隣の住民へしっかりと挨拶を行いましょう。

挨拶時には、工事の内容、期間、使用する機材による騒音や匂い、足場の設置場所について具体的に説明することが重要です。

隣の敷地に足場が越境する場合は、あらかじめ丁寧に説明し、了承を得るよう努めましょう。

挨拶の具体的な方法やお礼品の持参については、>>工事挨拶・近隣|ご近所の外壁塗装・リフォームでの挨拶文や粗品を参考にしてください。

信頼できる業者を選ぶ

外壁塗装を依頼する業者選びも、トラブルを防ぐための重要なポイントです。

信頼できる業者は、近隣住民に配慮した作業やマナーを心がけ、足場の設置から高圧洗浄の騒音対策まで細かく配慮してくれます。

Google mapでその会社の口コミや評判を調べ、信頼性の高い業者を選ぶことが大切です。

適切な業者の選び方については、>>外壁高圧洗浄の業者|コケを外壁の掃除で落としたい!外壁洗浄の費用相場を参考にしてください。

トラブルが起きたときの相談先

対策をした上で、トラブルがもし起きてしまった場合は、以下4通りの相談窓口があります。

それぞれ、どのような場合に相談をしたら良いのか解説します。

トラブルが起きた時の相談先

外壁塗装を行った業者

まず最初は、工事を依頼した業者に相談しましょう。

多くの業者は、トラブルについてのマニュアルが整備されており、トラブル発生時には迅速に対応してくれる場合が多いからです。

例えば、外壁塗装で不備があった場合は保証期間であれば対応してくれますし、隣家に損害が発生した場合は「請負業者賠償責任保険」を使うなどして保障をしてくれます。

齋藤

依頼業者がトラブルを解決してくれる場合はそれが一番早く確実ですが、それでもどうしても解決しない場合、以下の相談先に進みましょう。

住宅リフォーム・紛争処理支援センター

国土交通大臣指定の「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」も検討してみましょう。

リフォームはもちろん、新築・中古住宅など住宅に関する様々な相談を受け付けています。

電話相談が基本ですが、対面で弁護士・建築士と相談(1時間、原則無料)することも可能です。

齋藤

近くに窓口がなくても、Zoomのオンライン面談も可能なので、法律的なアドバイスが欲しい場合は検討してみてくださいね。

独立行政法人国民生活センター

いわゆる「消費者センター」(独立行政法人国民生活センター)も、消費者トラブルに関する相談窓口です。

商品やサービス全般に関するクレームや問い合わせについて、消費者からの相談を受け付けてくれます。

この窓口は各地方自治体に設置されており、相談員の方が交渉の手段や解決策についてのアドバイスをしてくれるだけでなく、業者と交渉を行ってくれるケースもあります。

弁護士

弁護士は最終手段となりますが、法的な解決が必要な場合には、弁護士に相談するのも一つの方法です。

外壁塗装の業者とのトラブルだけでなく、隣地使用に関する問題損害賠償請求が必要な場合も弁護士に相談が必要となります。

まとめ

外壁塗装の足場設置に関して、隣家トラブルを未然に防ぎ、できるだけ最小限にするために以下のポイントをおさえておきましょう。

  • 足場の越境が必要な場合は隣地所有者の許可を得る
  • 高圧洗浄や塗料の飛散対策を徹底し、隣家への影響を最小限に
  • 工事前の挨拶で近隣住民の理解と協力を得る
  • 信頼できる業者を選び、近隣への配慮ができるか確認する
  • トラブルが発生した場合は、専門の相談機関や弁護士に相談する

隣家が近い場合は外壁塗装をためらってしまいますが、外壁塗装の業者に相談し、お隣さんにきっちり説明ができていれば、大きなトラブルにならないケースがほとんどです。

齋藤

長く今の家に住み続けるためにも、適切な時期に自宅の外壁塗装をぜひ検討してくださいね。

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